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ジャグラーからコピーライターになって(後編)


ふと気がつけば1ヶ月が経っていました…

このままでは「ほぼ月刊ナガタケヨシアキ」になりかねない。

 

前編を書いたら後編も書かざるを得ないだろう作戦は

一応この記事で達成することにはなるのですが、

もう少し早く書き上げるための方法を考えなくてはいけません。

どうすればいいんだろう。記事に賞味期限とかつければいいのかな。

 

さて。

前回の記事が、思いの外反響があったようです。

あんな自分語りでも誰かにとっての何かになれば僕は嬉しい。

 

今回は後編ということで、

もう少し仕事の中身に寄った話をしたいと思います。

配属されてから、

今に至るまでのおよそ半年ほどで僕が感じたことです。

 

===

 

地下鉄を降りて、

地上に上がるエスカレーターに乗っていたときのこと。

ふと手すりを見るとこんなことが書かれていました。

 

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僕はこれを見て、

「コピーライターってこういうことだよなあ。」

と、感動すら覚えました。

 

「手すりにおつかまりください」という目的に対して、

いくら大きな声で叫んでも、行動に移してくれない人がいる。

なんで手すりをつかんでくれないんだろう?と、原因を考える。

もしかして「みんなつかまってて汚そう…」と思っているからじゃないかと仮説を立てる。

そんな人達が動いてくれるために、最もシンプルで強いメッセージは何かを考える。

そうか。「抗菌」の2文字じゃないか。

 

実際にこんなプロセスが辿られたのかは分かりませんが、

とても鮮やかですよね。言葉で課題を解決しているいい例だと思います。

 

 

コピーライターの仕事で置き換えると、

「手すりをつかんでほしい」→「商品を買ってほしい」

「抗菌」→「届けるべき適切なメッセージ」

です。

 

ある課題に対する、解決案を考える。

特に新人の場合は死ぬほど考える。

それがコピーライターの仕事。

 

 

 

 

だと、思ってました。

 

 

もちろん、思考プロセスとしては上記のようなことも考えていますし、

分かりやすく一般化すれば「言葉による課題解決が仕事」なんだと思います。

 

ですが、実際の現場でのプロセスにおいては、

そういう大きな枠を常に意識してばかりじゃないな

というのが今日のお話です。

 

抱いていたイメージと現実とのギャップを、

実際に僕が体験したエピソードを交えながら

書いていきます。

 

 

1:その言葉に、「引っかかりはあるか。」

 

配属されてから今まで、

いわゆる「キャッチコピー」を考える仕事よりも

CMの企画をする機会にめぐまれています。

15秒や30秒という決められた枠の中で、

言いたいことをきちんと言いつつ、

無視されないエンタメ性も要求される不思議な仕事です。

 

CMにもキャッチコピーが入る場合が多いのですが、

グラフィックとの大きな違いだなと思ったのは、

「埋もれないか」「耳に残るか」を意識しないといけない点です。

 

他のCMも流れこんでくる中、自分たちのCMが際立つことができるのか。

スマホタイム、トイレタイムになりがちなCMで、音だけで目を奪うパワーはあるか。

 

スルリと抜けてしまう正しい言葉である必要はなく、

ざらつきのある違和感も大事だということ。

このような視点は、

実際に自分が企画するようになってから実感するようになったことです。

 

例えば、僕も関わったこのCM。

 

 

キャッシュバックを「キャッシュをバックします」と言うだけで違和感が出ます。

言葉以外でも、女の子3人の見せ方や、

途中の「ポンっ」という音など、気になる要素だらけ。

ともすれば無駄にも思える要素も、

「引っ掛かり」という点で見ると効くこともある。

必ずしも「正しい言葉」が正解ではないところが、

この仕事の面白くもあり難しいところです。

 

 

2:その言葉は、「早いか。」

 

クリエイティブディレクター(CD)と呼ばれる人たちがいます。

クリエイティブの方針を決めたり、制作過程における指示を行う偉い人です。

(同時に、コピーを見せるときに一番ドキドキする人でもあります。)

 

ある仕事で僕がコピーの束を持っていくと、パラパラとめくりながら、

「コミュニケーションが遅いんだよな」とひと言。

 

見返すと、確かに上手いこと言おうとしてひねってるんですよね。

0.1秒で理解できない。

 

求められる言葉の種類にもよりますが、

基本的にはすぐに商品理解につながらない言葉は

あまり評価されません。

 

余談ですが、

コミュニケーションの速度という視点を持ってからは、

オノマトペ(擬音語・擬態語)の語彙をこつこつ増やしています。

 

フラフラ、ゴクゴク、シャキッ、ドロドロ、ペトペト

 

感覚的にどんなものなのかすぐに分かりますよね。

(どうでもいいけど、理科の授業で使われる“ペトリ皿”って名前がすごくすきでした)

 

あくまで手法の話なので、本質的ではないかもしれません。

ですが、言葉の速度を上げるためのアクセルを増やすことの重要性も、

現場ではひしひしと感じます…(勉強が足りない)

 

他にもイメージとのギャップを感じたことは2000個ほどあるのですが、

それはぜひお会いした時にでもお話しましょう。(文字打つのつかれた)

 

===

 

最後にひと言。

僕はジャグラーとして多くの場所で活動させていただきました。

 

(良ければインタビューもあるのでご覧ください。

http://ji-sedai.jp/special/generations/post_7.html

 

ジャグラーにも色々なタイプの方がいらっしゃるのですが、

僕はアーティストタイプではなく、

どちらかと言えばエンターテイナータイプでした。

「自分の心の中のマグマを爆発させて表現するぞ!」というよりは、

「お客さんにこうなってほしい、だからこういう演技をしよう。」というタイプ。

起点がそもそも違うんですよね。

 

コピーライターという仕事は、

ジャグラーに似ていました。

 

不思議な延長線は、

このまましばらく伸びていくと思います。

いつか何かの形で、

皆様の前に登場することを楽しみにしていててください。

 

僕も楽しみにしています。

 

 

 


長竹 慶祥

Yoshiaki Nagatake

長竹 慶祥

Juggler

Yoshiaki Nagatake

1991年3月6日生まれ。23歳。慶應義塾大学総合政策学部卒業。
2007年、アメリカ・ノースカロライナ州で開催されたジャグリング世界大会Jr.部門にて初出場にして優勝。
"ダイナミックなディアボロの動きと繊細な体の動きが見事に調和された演技"として世界的に評価される。

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