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夢語る青森のおじさんと冷蔵庫の夢


眠る子どもを抱き、スーパーでもやしを買った。帰り道、奥さんに「夢の話をしよう」と言う。将来の夢の話。将来の夢、なんてこの歳の男が語るもんじゃない。そういつもは思ってた。

「大きな冷蔵庫がほしい」と奥さんは言う。「体を鍛えるぞ」と僕は言う。「お互いの両親を沖縄に連れて行きたいね」と同意する。きっとどれも叶うだろう。

今朝、今週末会う予定だった方が急逝したと、共通の友人から聞いた。まだ50代のその人は、昨日の晩もFBに飲みの席の様子を投稿していた。そこにはいつものようにたくさんの「いいね!」が付いていた。いくつか投稿を遡る。

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長年大事に使っていた愛車が事故にあい、泣く泣く廃車となり、そして白い新車が納車されたという2日前の投稿。

「新たな相棒が来ました!末永くよろしくお願いします」

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青森に住むその方と、僕は一度しかお会いしていない。講師として招かれた僕の講習会場の一番奥で、腕を組んだちょっと強面な人が僕を見る。なんだあの人は。偉い人か? きっと偉い人だろう。彼が笑わないとこの講義は成功とは言えないかもしれない。と妙な課題を僕は勝手に設定していた。開始3分で笑ってくれたから、拍子抜けしたのを覚えてる。

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その人は、東京から来た僕に自身の夢を語ってくれた。最初から最後まで、「これからの青森」の話。自分たちの住む街について、現状の問題点やこれからの希望を教えてくれる。「青森の若い人たちに頑張ってもらいたいんだよね」と、僕より20近くも年上の男が、キラキラした目で僕に夢を語る。「サカイさんのまわりに困っている人がいたら、どんどん自分を使って欲しい」とも言っていた。「へっへっへ、また一人面白い味方を手に入れたぜ」と僕は喜んだ。

1度しかお会いしていない故人について、僕は多くを語ることはできないが、彼に世話になった青森の知人たちが悲しんでいる様子を眺めると、とても切ない。いつも元気で明るい知人たちがみな悲しんでいる。その一方で、愛娘の成長を報告する投稿や、同じ業界の経営者が書いたブログへの批判、彼女が欲しいという嘆き。僕のタイムラインにはいつも通りにきちんと日常が流れている。

その人が僕にくれたのは、おっさんになっても夢語るのいいじゃない、ってこと。もっと深く付き合えば、きっともっといろんなモノをもらえたかもしれない。でも僕は短い時間の中で、それしか受け取ることができなかった。スーパーの帰り道に、奥さんと夢を語る時間。(その答えが冷蔵庫ってのもなかなかだが)

今週末、青森へまた行く。ひとつやふたつ、僕なりの青臭い夢を持って新幹線で向かおうと思う。

宮川さん、白い車たくさん乗り回してね。


酒井 栄太

Eita Sakai

酒井 栄太

Chief Editor

Eita Sakai

1981年横浜生まれ。中野在住。株式会社ヒャクマンボルトの社長です。 胃腸が弱いのにコーヒーが好きです。

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